2月3日(日)、管弦楽部特別公開レッスンが行われました。
公開レッスンとは耳慣れない言葉です。音楽の世界では、楽譜や楽器の奏法を書籍等の言葉だけで学ぶのは難しく、専門家について言葉にできない様々なことを教えてもらうことがあります。そのことをレッスンと言っていますが、公開レッスンは普段1対1で教わることの多い音楽の秘密を、直接教わる学生のみならず、志を同じくする学生や一般の方などが聴講できる形のレッスンのことです。
今回本校が主催した特別公開レッスンでは、元ウィーンフィルハーモニー管弦楽団バストロンボーン奏者のカール・ヤイトラー氏をお招きし、管弦楽部の指導をしていただきました。ヤイトラー氏は、昨年8月ウィーンフィルハーモニー管弦楽団を定年退職されましたが、在籍中はニューイヤー・コンサートの演奏のみならず、カール・ベームやレナード・バーンスタイン、カラヤンといった日本でも大変人気の高い指揮者と演奏・録音を行っていますので、もしかしたら、そのバストロンボーンの音色は、その名を知らない方も一度は聴いたことがあるかもしれません。
管弦楽部では、毎年定期演奏会でウィーンの音楽を一曲取り上げています。今年4月27日に開催される定期演奏会でもワルツ「美しき青きドナウ」を演奏します。ヤイトラー氏の第2回目の公開レッスンである今回はこの曲を中心に、やはりウィーンの音楽である「ラデツキー行進曲」「雷鳴と電光」の3曲をご指導いただきました。
公開レッスンに先立って、午前中は3曲の指導を担当してきた3人の顧問が、それぞれの曲をヤイトラー氏の前で披露させていただき、それを聴いたヤイトラー氏が次にレッスンをしてくださいました。
緊張していた部員たちも、曲を演奏し終わるごとに、日本語で「スバラシイ!」と言ってくださるヤイトラー氏の優しさにすっかり笑顔になっていました。基本はドイツ語で、ウィーンでヤイトラー氏に師事していた吉田さんに通訳していただきながらのレッスンでしたが、「イチ、ニ、サン」や「もっと」などの日本語も交えながら、練習が進んでいきました。
お昼休みには、パートごと、ヤイトラー氏と記念撮影。
サインをもらっている生徒もたくさんいました。
午後は後半の、ミニコンサートを目標に、丁寧に稽古をつけてくださるヤイトラー氏。部員達は聴講してくださる方にも見守られながら、楽譜に書かれていない、ウィーンの音楽の秘密をたくさん学びました。ヤイトラー氏の全身から発せられるウィーンのリズム感を感じながら、今まで練習してきた曲が、どんどんウィーン風に変化して行く様子はとても言葉では伝え切れません。
ミニコンサート本番は、40年以上の南陵フィルの歴史に残る演奏になりました! 会場の体育館は寒さが心配されましたが、当日の天候と同じようにヤイトラー氏と管弦楽の部員、そして聴講して下さった方々の、音楽を愛する温かい気持ちでいっぱいになった大変心地よい空間になっていました。ヤイトラー先生、御来場して下さった皆様本当にありがとうございました。
当日の様子が2/5の静岡新聞で紹介されました。
"ウィーン流"演奏に磨き 清水南高中・管弦楽部 (静岡新聞社・アットエスのサイト)